グレゴリオ聖歌 Gregorian Chant

教皇グレゴリウスが作ったと信じられていたためグレゴリオ聖歌と呼ばれているが、9世紀から10世紀ころにかけてヨーロッパの修道院、教会で発展しそれ以後さらにローマ聖歌とガリア聖歌が統合されて完成された典礼音楽である。無伴奏で歌われる単一の旋律(モノフォニー)からなりネウマ譜によって表記される。


ネウマ譜

それはポリフォニーすなわち複数のパートからなる多声音楽で1オクターブを12等分した平均律の音階を五線譜に表記する現代音楽とは大きく異なっている。

1960年代の第2バチカン公会議以降ラテン語に代わり現地語による典礼が奨められるようになり、グレゴリオ聖歌はその地で話される国語による典礼聖歌へととって代わられるようになった。


しかし、カトリック教会では現在でも公式に、典礼で用いられる最も適した聖歌としてグレゴリオ聖歌を認め推奨している。またその優れた芸術性を尊び継承する運動もおこり、グレゴリオ聖歌を研究、復興し保存する活動が行われている。

ソレム唱法といわれる模範的、標準的な唱法によるラテン語の聖歌を毎日の聖務日課で継承している修道院がフランスの小さな町ソレムにあり、グレゴリオ聖歌の聖地とも言われるベネディクト会修道院がその中心的な場所である。男子修道院、サン・ピエールと女子修道院、サント・セシールがある。


サント・セシール修道院 聖堂
聖域の両袖に聖歌隊席がある

サン・ピエール修道院 St. Pierre


グレゴリオ聖歌の聖地
フランスの中西部サルト川沿いの小さな町ソレム Solesmes にある。

サント・セシール修道院 Ste. Cécile


ソレムにあるもう一つの修道院


聖務日課 Devine Office

伝統的な修道院の生活の中で修道士が一日に努める日課の祈りで現在サン・ピエール修道院とサント・セシール修道院で行われているのは下記の通りである。



Lauds
Laudes

朝 課

一日の始まりの祈り

Mass
Messe

 

ミ サ

Sext
Sexte

六時課

日中の祈り

None
None

九時課

午後の祈り

Vespers
Vêpres

晩 課

夕刻の祈り

Compline
Complies

終 課

一日の終わりの祈り


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