十字架の道行


第1留:
イエス 死刑を宣告されたもう

1

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

人々は主を捕えてカイファのもとに引き行き、あざけり御顔につばきし、打ちたたき、次いでピラトの裁判にわたせり。ピラトは群衆の心を和らげんとて主を石の柱に縛りつけ、むち打ち、ゆいにいばらの冠を御頭に押しかぶせければ、傷つき血流れたり。
されど群衆は 少しもあわれと思わずして、なおも十字架に掛けよ、十字架に掛けよと大いに叫びたりしかば、ピラトもせん方なくて主に死罪をいいわたすにいたれり。
主イエス・キリスト、主を死刑に処せしは、ピラトとユデア人にあらず、ひっきょうこれわれらの罪の業なり。われら今罪を犯す毎に、主に大いなる苦痛を加え、不当の宣告を受けさせ奉るなり。 よりてわれらの罪の罰を赦し給わんことを。ひたすら願い奉る。アーメン。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第2留:
イエス 十字架を担い給う

2


先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

人々は主を外に引き出し、荒木もて作れる十字架をかしこくも主の肩に打ち掛くるや、主は御身の傷をもいとい給わず、すこしも拒み給う御気色なく、引き寄せてこれを担い、柔和にして、堪忍深き御姿にてかれらの後より歩ませ給う。
主イエスは十字架を担い給うべきにあらず。罪人なるわれらこそ、十字架を担うべき者にはあるなれ。さればわれらは主の御旨によりて、罪を償うがために、この世の苦難を受くべき者なれば、主を鑑として、柔和堪忍をもってこれに耐えしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第3留:
イエス 初めて倒れ給う

3

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主はすでにむち打たれ、いばらの冠りに刺し貫かれ給えるほどに、傷あとただれ破れ、あけの血に染みて歩み給いければ、衰弱のあまり足下よろめき、ついに十字架の重きに堪えずして、傾きかがみ、やがて大地に倒れ給う。 主イエス・キリスト、主を倒しまいらせしは一にわれらなり。われら罪に陥りたるによりて、主はかかる苦難を受け給うなれば、われら深くこれを悲しみ奉る。この御苦難の功力によりて、 われらを罪より救い給わんことを、ひたすら願い奉る。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第4留:
イエス 聖母にあい給う

4

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

聖母マリアは御子が死罪の宣告を受け給いしを聞き、急ぎ行給うほどに、途にてあい給えり。あわれ天使の御告げありし昔には似るべくもあらず、あけの血に染み目も当てられぬ主の御姿を見て深く悲しみ給えども是非なし。御子の御苦難に御みずからの悲しみを添えて、われらのために御父天主に献げ給う。

主イエス・キリスト、聖母マリアの御心を悲しませまいら
せしは、一に罪人なるわれらなり。主は限りなく慈悲深くましませば、幸いにわれらの罪を赦し給え。また主と御母との御心を慰め奉るために、われらに力を尽さしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第5留:
イエス クレネのシモンの助力を受け給う

5

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主はかく歩み生きたもうほどに、御気力次第に衰えてすでに危うく見え給えり。されど来りて助けまいらする者もなく、かえってさまざまにののしちたたきたりければ、
今やはや堪え難くして沈み入り給わんとす。人々は折しもそこに来合わせたるクレネのシモンに、強いて十字架を助け担わせ、なおも主を駆りて歩ませ奉れり。

主イエス・キリスト、主の十字架を担いて、力弱り給いしは、これ全くわれらの罪の重きが故なり。われらこそシモンに代わりて十字架を担うべき者なれば、今より一切の苦難を、主の十字架の分としてわれらに 受けしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第6留:
イエス 御顔を布に写させ給う

6

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主はなお歩み行き給うほどに、御体も御顔もあけの血に染み給えども人々は少しもあわれまず、ますます荒立ち騒ぎたり。この時ヴェロニカという女群衆のうちより走り出で、主に 布を捧げければ、主は御みずから御顔を拭い、尊き御面影をその布に写して返し授け給えり。

主イエス・キリスト、われらの霊魂に聖寵を添え給え。十字架の苦難によりて、われらに御功徳を移し給え。われら弱き者なれども、ヴェロニカにならい、世のあざけりを顧みず、専ら主を崇め 奉るを得んことを、ひたすら願い奉る。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第7留:
主 イエス 二度倒れ給う

7

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主の御力は血と共に減り、今は御足も進みかね、息たえだえにてうつぶせに倒れ給いぬ。 ユデア人らはあおもあわれまずして打ちたたき、棄て物の如く扱いつつ強いて歩ませ奉れり。

主イエス・キリスト、われら御血の跡を慕いて、深く愛し奉る。主の二度倒れ給いしは、われらの悲しむ時に当たり、頼もしき心を 失わせじとなり。天に昇る道は十字架の道にて、すなわち苦しみの道なれば、御苦難の功力により、われらをして、 雄々しき心をもって、歩ましめ給わんことを、ひたすら願い奉る。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第8留:
イエス エルサレムの婦人を慰め給う

8

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

この時主の後よりあまたの人々慕い来り、なかにもエルサレムの婦人は涙にむせびて道すがら泣きければ、主はかれらを顧み、御苦しみを忘れ、慰めて宣わく「エルサレムの婦人よ、わがために泣くなかれ、なんじらとなんじらの子孫とのために悲しむべし。生木すらかくの如くなれば、まして枯木はいかにぞや」よ。

主イエス・キリスト、主は罪なくして苦しみを受け給えり。われら罪をもっ聖寵を失い、あたかも枯木の如くなれば、必ず地獄の火に燃やさるべき者なり。さればわれらに、
おのが罪と人々の罪とのために泣き、痛悔の涙を注がしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第9留:
イエス 三度倒れ給う

9

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主はカルワリオの上にいたりてまた倒れ給う。そは人々がかかる苦難を無益になさんことを思い給い、御心細きあまり、深く悲しみ給えばなり。されど主は いずこまでも人々を助けんとて苦難を耐え忍び給う。

主イエス・キリスト、主は何故に幾度も倒れた給いしぞ。これ全われら幾度も罪を犯し、たとい痛悔を起こすとも、また重ねて罪に陥るが故なり。 主は三度の後は倒れ給わず。さればわれらをして、主の御功力によりて、この後再び罪を犯さざらしめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第10留:
イエス 衣をはがれ給う

10

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ユデア人らはカルワリオにおいて主の御衣をはぎまいらせたり。 その時御衣は御傷に付着して痛さに堪え給うべくもあらず。 御頭のいばらの冠もさわりなりちて取り除けしを、またもとの如く押しかむらせまいらせたり。

そはいと苦しきことなれども、群衆の前にはだをさらさせ給いしは、 なおこれにまさりて苦しげに見えさせ給う。主イエス・キリスト、御心に適わざることわれらにあらざらば、 御衣の如く脱がしめ給え。わけても高慢、じゃいん、どんよくなどの悪しき心を除き、聖寵の衣を着せ給わんことを、
ひたすら願い奉る。アーメン。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え


第11留:
イエス 十字架のくぎ付けにせられ給う

11

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主はすでにくぎ付けにせられんと十字架の上に倒れ、御みずから御手足を延し給いたるを、ユデア人らは荒々しくその御手足にくぎを押しあて、かなづちにて打ち付けたり。この時主の御苦しみはいかばかりなりしぞ。御肉は破れ、御血は流れて御力尽き、なお御渇きは耐え給うべくもあらず。さるをユデア人らは少しも心せず、十字架を押し立て、根下を突き固めて立ち去りけり。聖母は始終これを見て涙にむせび、十字架のもとに留まり給う。

主イエス・キリスト、主はわれらのために、十字架にくぎ付けにせられ給えり。さればわれらもまた、主と共に十字架に付けられんことを望む。たといいかなる苦しみに遭うとも、主を離れざるよう御恵みをくだし給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第12留:
イエス 十字架の上に死し給う

12

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主は二人の盗賊の間に挙げられ給いしが、人々のために御父天守に向かいた『かれらはそのなす所を知らざるによりて赦し給え』と宣えり。一人の盗賊はこれを聞きて『願わくは御国にいたらん時われを思い給え』と申したりければ、主は『今日なんじ、われと共に楽園にあらん』と宣えり。また十字架のもとに聖母及び御弟子の立てるを見給いて、御母に向かい『女よ、御身の子ここにあり』と、また聖ヨハネに向かいては、『なんじの母ここにあり』と、宣い、やがて『事終わりぬ』と宣いて、息終えさせ給えり。その時、日はなお高かりしが、世界にわかに夜の如く暗くなりぬ。

主イエス・キリスト、主の死し給える時に当り、地は震い、日は暗み、墓は開け、死人はよみがえり、岩は裂く。われらこれを思いて心に感ずる所なくんば、きわめてかたくななる者なり。これによりて、今よりわれら再び罪を犯さず、主と共に、この世に死するを得しめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第13留:
イエス 十字架よりおろされ給う

13

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

主はすでに息絶えさせ給いしかば、御体は十字架よりおろされ給えり。聖母マリアは御なきがらを抱き給い、その御色ざし、御顔、御手足、および御側脇腹の傷を見て、絶えいるばかり嘆き給う。

主イエス・キリスト、かくも聖母を嘆かせまつりしは、すなわちわれらなり。ああ罪人なるわれら、いまさらに悔み悲しみ奉る。聖母はわれらのためにいつも母たり給えば、われらはいつも子となりて、忠実を尽すを得しめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え。


第14留:
イエス 墓に葬られ給う

14

先唱:ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、
全員:われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

ああキリストよ、主は尊き十字架をもって世をあがない給いしにより、われら主を礼拝し、主を讃美し奉る。

時にニコデモとヨゼフとはピラトの許しを得て、主の御体を葬らんと御母よりこれを受け、清らかなる布にて包み、新しき墓に葬り奉れり。

主イエス・キリスト、われらの罪を御墓に隠し給え。われら心のうちに、主を受け奉り、今よりこの世の楽しみに死し、天国において、主を讃美するを得しめ給わんことを、ひたすら願い奉る。アーメン。

天にまします....
めでたし....
願わくは....

主われらをあわれみ給え。われらをあわれみ給え。
願わくは死せる信者の霊魂、天主の御あわれみによりて安らかに憩わんことを。アーメン。

先唱:ああ、聖母よ、
全員:十字架にくぎ付けにせられ給える御子の傷を、われらの心に深く印し給え


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